「男子インハイチャンプ=二条泉」から考える男子インハイチャンプ像

2月という個人的な山場を越えて、どうにか一安心といったところです…
まぁまだまだ不安定ですが・・・
とはいえ漫画を買う余裕は一応でき、一昨日にやっと既刊をそろえました…
一冊も持っていないのに考察ブログを開いたとは
ともかく、阿知賀編を読了したので、(今更感があるお題だけど)一つ愚考をば。



 絶賛放送中のアニメでは女子インハイが盛り上がっているわけだが、男子インハイはその気配すら感じられないながらも*1、作者が男子のインハイチャンプの存在は言及されているので、一応開催はされているのだろう。

小林立「男子のインハイチャンプは二条泉ちゃんと同じくらいの強さです。」(13.05.17)*2

この「男子インハイチャンプ=二条泉」の設定は、割と驚きをもって受け取られていたようにみえる。
ここでは、男子インハイチャンプがどのような場合この設定が妥当なのかを考えてみたい。

 まず二条泉の実力から。準決勝次鋒戦で「は・・・!?」「は?」*3と射られたり、「日本の高1で最強のつもり」*4が高1の魔物達と比べられてしまったりなどと、どこか強さが感じられない印象を受けがち。
 だが「全国2位のチームのレギュラー」*5 *6と捉えると、並以上の3年生よりもずっと高い実力を有しているといえよう。高校野球で喩えて考えてみると想像しやすい*7

 では、何故上位校レギュラーの中でも上級生のそれなりの実力者(真瀬由子・江口セーラら)ではなく、1年生である二条泉なのか。それにあたり、準決勝次鋒戦での新道寺・安河内美子と対比して考えたい。
 二条泉と安河内美子の実力に大きな差はないと思われる。となると、何が明暗を分けたのか。作中では試合後に船Q先輩の口から3年生ブーストの存在が語られるが、さらにそれだけではなく、描写から「対応力」の差が見て取れると指摘したい。
 阿知賀・松実宥のあったかい牌、白糸台・弘世菫のシャープシュートに対し、二条泉はその打ち筋を知りつつも翻弄される、松実宥には先日手こずったにも関わらず。それに対して、安河内美子は早上がりという対策で弘世菫に射らせる隙を与えない。これは先日との打ち方とは違うことが示唆されている*8ことからも、対応策だと考えてよいだろう。

 つまり両者における差は、「さまざまな能力者(またはそれに準ずる打ち筋)との対局経験」と言えるのではないか。前年2位だったインターミドルも、エトペンを抱く前の「デジタル打ちが不完全な」原村和が制していることから、強力なオカルト打ちが参加しているとは考えずらい。能力の存在への認知と事前に指示された対策の執行能力はあると2回戦の様子から推測できるが、その場で対策を練って対応する力(末原恭子・加治木ゆみら)や能力を超える自身のスタイル・ペース(愛宕洋榎・江口セーラら)はまだ準決勝での二条泉からは見えない。

「男子インハイチャンプ=二条泉」から推測できる男子インハイチャンプ像としては
(1)非能力者*9 *10
(2)実力は女子ベスト8校のレギュラーレベル以上
(3)能力者との対戦経験が少ないorない*11
とできるのではないか。*12


 あまり目新しさはないですが、整理しておきたかったので。いかがでしょうか。
 あとは、今後の泉の成長に期待したいところ。*13
 
 とりあえずは、来週からのアニメの大将戦での、能力者達に立ち向かう末原さんの勇姿が楽しみです!!

*1:男子の部の存在感の皆無さはhttp://seela.maid-servant.jp/blog/?p=818に詳しい

*2:作者公式サイト http://www.sciasta.com/ritz/ 参照

*3:小林立五十嵐あぐり咲-Saki-阿知賀編episode of side-A 4』スクウェア・エニックス、2012年、121・131頁。

*4:小林立五十嵐あぐり咲-Saki-阿知賀編episode of side-A 4』スクウェア・エニックス、2012年、129頁。

*5:部員数は少なくともバス4台分 小林立五十嵐あぐり咲-Saki-阿知賀編episode of side-A 1』スクウェア・エニックス、2012年、205頁。

*6:全国1位のチームのレギュラーの実力は「そこらの県代表エースをしのぐ」らしい、発言者の成績から信憑性が薄くなってしまったが… 小林立五十嵐あぐり咲-Saki-阿知賀編episode of side-A 5』スクウェア・エニックス、2013年、102頁。

*7:「今丁度、夏の甲子園がやっていますけど、準々決勝まで勝ち抜いている高校で一年生レギュラーは片手で余裕なくらい。背番号1〜10までを貰ってる一年生って僅か二人しかいないのです。それに野球のレギュラー枠は九人だけど、麻雀は五人。より狭き門だ。」 【咲-Saki- 阿知賀編 episode of side-A】 第13話・再会 より。

*8:小林立五十嵐あぐり咲-Saki-阿知賀編episode of side-A 4』スクウェア・エニックス、2012年、127頁。

*9:以下のエントリ等で男子に能力者がいない可能性が挙げられている。 男子のインハイチャンプの実力=二条泉の設定から導き出される、インターハイに隠された真の目的とは? とっぽいとっぽい。「異常な麻雀ぢから(BY透華)は無垢な少女にしか発現しない」・http://seela.maid-servant.jp/blog/?p=818「「男子には魔物(能力者)がいない」という可能性」・ひっそりとホタテを目指すブログ コメント返し+驚愕の事実について「男子は色々な色々で能力とかが使えないんでしょうかね」

*10:個人的には巫覡の問題等からもっと考えていきたいところ、それとも結論出てましたっけ?

*11:「ちょっとした能力者ぐらいは軽くいなせる力」はあるだろうという指摘泉ちゃんについていい加減本気出して考えてみた【若干ネタバレあり】 : さくやこのはながあり。実際2回戦第2試合の途中までの様子からその通りだと思う、ただ松実宥が「ちょっとした」ではなかっただけで。

*12:他には男子インハイチャンプが1年生という可能性や「高1最強になる能力二条泉「三年生に負けただけで高1では最強ですから」 - ひとよにちゃんねる | VIP SSまとめブログ・・・?

*13:公式ガイドによると「自分の強さに自信があり、何事にも動じない臨機応変な麻雀スタイル」だそうだが、どう伸びうるのだろうか。『TV ANIMATION 咲-Saki-阿知賀編 episode of side-A OFFICIAL FANBOOK』スクウェア・エニックス、2012年、29頁。